『或る夜の出来事』あらすじ&解説【スクリューボール・コメディの代表作が与えた影響】

映画『或る夜の出来事』考察!スクリューボール・コメディの代表作が与えた影響

 アメリカでは、ケーブルテレビで往年の名作映画がくり返し放送されています。だから、若い人も古い映画を知っているし、世代間で“文化の断絶”が起きにくいのだと思います。

 

 今回ご紹介するのは、フランク・キャプラ監督の白黒映画『或る夜の出来事』です。

BSでのテレビ放送(2025)はいつ?映画『或る夜の出来事』概要

 『或る夜の出来事』は、1934年のアメリカ映画。大富豪の娘と新聞記者の男が逃避行。いがみ合いつつもお互いに惹かれてゆく様子が描かれた恋愛コメディです。

監督は、名作『素晴らしき哉、人生!』のフランク・キャプラ。彼とよくタッグを組んでいたロバート・リスキンが脚本を担当しています。

或る夜の出来事
原題 It Happened One Night
製作国 アメリカ
製作年 1934年
上映時間 105分
監督 フランク・キャプラ
脚本 ロバート・リスキン
出演 クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール
 『或る夜の出来事』のテレビ放送は、2025年11月3日(月・祝。NHKのBSプレミアム4Kにて。
 14:30 ~ 16:17

 

>> BSテレビ映画 放送予定【NHKプレミアムシネマやJ:COM BS、BS12トゥエルビの日別スケジュール】 

『或る夜の出来事』のストーリー

  大富豪の娘・エリー(クローデット・コルベール)は、父親の反対を退け、プレイボーイの飛行士と婚約します。父はエリーをヨットに閉じこめますが、反発したエリーは海に飛びこみ脱出。ニューヨーク行きの夜行バスに逃げこみます。

 

 そこで乗り合わせたのが、クビになったばかりの新聞記者ピーター(クラーク・ゲーブル)でした。エリーとピーターは出会った時から、喧嘩ばかり。お互いの第一印象は最悪です。

 それでも、エリーとピーターは行動を共にすることになり・・・

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解説|『ローマの休日』『卒業』にも影響を与えた「スクリューボール・コメディ」の名作

有名監督も大好き! スクリューボール・コメディの代表作

「スクリューボール・コメディ」とは、コメディ映画のサブジャンルのひとつ。

 

従来のジェンダーの役割を越え、主人公の男女が早口でセリフの応酬をくり広げます。また、ドタバタ劇の要素があり、思いもよらない方向へ話が展開してゆく面白さがあります。

 

『或る夜の出来事』が脚本上うまいのは、ピーターの“新聞記者”という設定が、物語をちゃんと前に動かしているところです。

  • エリーが失踪中の富豪の娘であることを、新聞の紙面で知る
  • スクープが欲しいピーターは、エリーと行動を共にする

 ピーターは、お金持ちの傲慢な態度がキライ。でも、特ダネが欲しいから、ウマが合わないエリーと一緒にいます。職業が目的を生み、目的が物語を前に進めています。

 

映画を包むあたたかな雰囲気も、フランク・キャプラ作品の特徴。夜行バスに乗り合わせた見ず知らずの乗客たちが、みなで声を揃えて歌うシーンは幸せな気持ちになれます。とにかく多幸感にあふれています。

(出典:The Academy on X)

 

スピルバーグや黒澤明、三谷幸喜までが憧れた、というのも納得です。

『ローマの休日』『卒業』へも影響を与えた?

世間知らずのお嬢さまが逃げ出し、たまたま新聞記者の男性と出会う。記者はスクープのためにお嬢さまに近づき、反目しつつも惹かれ合う・・・

『或る夜の出来事』(1934年)の物語構造は、『ローマの休日』(1953年)とかなり似ています。

 また、クライマックスの結婚式の場面は、『卒業』(1967年)とも酷似しています。宮崎アニメ『カリオストロの城』(1979年)にも似たような場面がありましたね。

 

名作に影響を受けた作品が、また名作になってゆく・・・古い映画を知っていると、50年、100年といった映画の歴史が見えてきます。

 

『或る夜の出来事』は、Amazonプライムビデオだと吹き替え版で楽しむことができます。古い映画に抵抗がある人も、親しみを感じられますよ。